目次
投資信託の取り崩し方法は4%ルールがおすすめ
以前読んだ本に、投資信託の取り崩し方法として4%ルールが良いと紹介されていました。
その本とは、次の2冊です。
- お金の大学
- 著者: 両@リベ大学長
- ISBN-13: 978-4023318786
- ウォール街のランダムウォーカー
- 著者: バートン・マルキール
- ISBN-13: 978-4532356873
4%ルールとは
そもそも、4%ルールとは、次のようなものです。
- ケース1
- 引退時の資産残高 × 4% を定額 で取り崩し続ける
- 例えば、引退時の資産(イメージは、退職金で購入した投資信託です)残高が3,000万円だとすれば、毎年、3,000万円の4%である120万円を取り崩す方法
- ケース2
- 毎年の資産残高 × 4% を定率 で取り崩し続ける
- 毎年の資産の評価残高に応じて、4%に相当する金額を取り崩す方法
4%ルールがおすすめの理由
なぜ、4%ルールがおすすめなのでしょうか。
それは、4%ルールに従って資産を取り崩した場合、35年後に資産が残っている確率が96%になるからなのです。
例えば、ケース1に従って毎年120万円を取り崩す場合、感覚的には25年で3,000万円の資産がゼロになると思うのではないでしょうか。
しかし、実際は、資産の運用益によって資産が増加するため、35年程度(金額では4,200万円程度)までは持続できるようになる、ということなのです。
厳密には、「株式50% : 債券50%」のポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)で検証されているとのことです。
では、実際の投資信託のみで運用したと仮定した場合、どうなるのかと疑問に思ったので、検証してみることにしました。
検証条件
- 日興アセットマネジメント株式会社 インデックスファンド225
- 1992年12月末に3,000万円を投資
- 取り崩しは、1993年以降の12月末に実施
- 分配金は発生月(6月)の月末に再投資
- 検証期間は1993年12月末~2021年12月末までの28年間
- 売買手数料および信託報酬はとりあえず無視
投資日を上記に設定した理由は、からダウンロードした投資信託のデータが1992年6月末からのものであったためです。
ちなみに、そのデータは、モーニングスター株式会社のウェブサイトの「チャート」をクリックするとダウンロードできます。
また、日興アセットマネジメント株式会社のウェブサイトからもデータのダウンロードが可能ですが、こちらは1997年1月6日からのものであったため、上記を採用することにしました。
インデックスファンド225の基準価額と分配金の推移
1993年12月末~2021年12月末までの28年間における、インデックスファンド225の基準価額と分配金の推移は以下の通りです。
インデックスファンド225 基準価額の推移
上記は、インデックスファンド225の基準価額の推移をグラフにしたものです。
縦軸が1万口当たりの基準価額(単位: 円)、横軸が年月になります。
1997年は、バブル崩壊による影響で株価が下落しました。
その後、2000年にかけてアメリカのドットコム・バブルの影響で株価が上昇しました。
2000年末には、ITバブル崩壊の影響で株価が下落しました。
2001年9月には、アメリカ同時多発テロによる影響で株価が下落しました。
2003年3月には、アメリカとイラクの戦争に対する緊張感から株価が下落しました。
その後、景気回復への期待から株価が上昇に転じました。
2007年8月には、サブプライムローン問題のアメリカ経済への悪影響懸念が広がり、株価が下落に転じました。
2008年9月には、リーマンショックにより株価が下落しました。
2012年12月には、アベノミクス相場により株価が上昇に転じました。
2015年8月には、チャイナショックの影響で株価が下落しました。
2016年6月には、ブレグジットの影響で株価が下落しました。
2016年11月には、トランプショックの影響で株価が下落した後、上昇する乱高下が起こりました。
2018年2月には、雇用統計で賃金の伸び率が市場予想を大きく上回ったことからアメリカの長期金利が急上昇し、株価が下落しました。
2018年には、アメリカと中国の貿易戦争の影響により、株価が下落と上昇を繰り返しました。
2020年2月には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で株価が下落しました。
2020年6月には、各国の積極的な金融・財政政策の発動により株価が上昇に転じました。
インデックスファンド225 分配金の推移
上記は、インデックスファンド225の分配金の推移をグラフにしたものです。
縦軸が分配金(単位: 円)、横軸が年月になります。
分配金の推移は、インデックスファンド225の基準価額の推移に、おおむね、追従していると考えて良いでしょう。
検証結果
投資信託の残高の推移は、次のようになりました。
ケース1: 4%の定額で取り崩し
上記は、運用期間中の資産の評価残高の推移をグラフにしたものです。
縦軸が各年の12月末における資産の評価額(単位: 円)、横軸が年月になります。
毎年、4%(120万円)を取り崩した結果、2011年12月末には資産がマイナスに転じる結果となりました。
運用開始から19年目で破綻したことになります。
現金で保有していれば、毎年4%(120万円)を取り崩した場合は25年保持できるので、残念な結果になりました。
4%の定額で取り崩す場合は、銘柄やポートフォリオの検討を行う必要があることが分かりました。
ケース2: 4%の定率で取り崩し
資産の評価残高は、2021年12月末で18,676,423円でした。
4%の定率で引き出す額が決まるため、資産の評価額によって引き出す額も増減します。
最も多い額は、1994年12月末の1,280,557円でした。
最も少ない額は、2011年12月末の289,596円でした。
また、引き出した総額は、19,156,777円でした。
1992年12月末に30,000,000円を投資信託に投資して、29年間で7,833,200円の利益を得たことになります。
この結果を見ると、4%の定率で資産を取り崩す場合は、35年後(上記の結果よりさらに6年後)に資産が残っている可能性はかなり高いと考えられます。
(参考1)8%の定率で取り崩し
投資信託を4%の定率で取り崩した場合の検証結果が比較的良好でしたので、参考までに、8%の定率で取り崩した場合も検証してみました。
資産の評価残高は、2021年12月末で5,672,296円でした。
最も多い額は、1994年12月末の2,454,401円でした。
最も少ない額は、2011年12月末の269,228円でした。
また、引き出した総額は、24,609,996円でした。
1992年12月末に30,000,000円を投資信託に投資して、29年間で282,292円の利益を得たことになります。
8%の定率では、利益がわずかであったため、今回使用したインデックスファンド225の年率は、8%をわずかに超える程度であることが予想されます。
(参考2)検証データについて
今回の検証で使用および作成したデータは、以下のGitHub Pagesに公開しています。
https://4affiuser.github.io/data/4per_rule/4per_rule_モーニングスター_インデックスファンド225_検証データ.xls
また、GitHub Pagesに関しては、私が過去に作成した『JavaScriptの外部ファイル化 GitHub Pagesを利用』を参照ください。








