目次
振り返り MACDヒストグラムを使用した株のトレード手法の検証
前回、MACDヒストグラムを使用した株のトレード手法を検証しました。
上記の検証は、MACDヒストグラムの下降から上昇への転換点で「買い」、上昇から下降への転換点で「売り」を行うものでしたが、MACDヒストグラムのノイズ(ランダムな増減)を拾ってしまうため、損失が増えることが確認されました。
そこで、今回の検証では、MACDヒストグラムのノイズを抑えるために、次の条件で売買を行うことにしました。
- ケース1: 3点サンプリング
- 「買い」条件: MACDヒストグラムが下降→下降→上昇した日の終値で「買い」
- 「売り」条件: MACDヒストグラムが上昇→上昇→下降した日の終値で「売り」
- ケース2: 4点サンプリング
- 「買い」条件: MACDヒストグラムが下降→下降→下降→上昇した日の終値で「買い」
- 「売り」条件: MACDヒストグラムが上昇→上昇→上昇→下降した日の終値で「売り」
サンプリング数を増やすことで、ノイズによる影響を抑えることを期待しています。
また、上記に加えて、売買の条件が成立した場合は、追加でN回(N=1, 2, 3)まで売買を行うこととしました。
つまり、「買い」を1回実行後、まだ「売り」を実行していない状況で新たな「買い」の条件が成立した場合は、追加で「買い」を実行する、というものです。
改めて、検証条件を以下に示します。
- 売買条件は上記の通り
- 「買い」および「売り」は、条件を満たす限りN回(N=1, 2, 3)まで追加の売買を行う
- MACDの期間設定は、短期12日、長期26日
- MACDシグナルの期間設定は、9日
- 株価データは「任天堂(7974)」を使用する
- 株価データの期間は2003年1月から2023年1月の20年間とする
- 買い値および売り値は条件成立日の終値とする
- 売買単位は100株とする
- トレードによる手数料、税金は無視する
検証結果
ケース1(3点サンプリング)
ケース1(3点サンプリング)の検証結果を以下に示します。
| 年 | 3点 N=1 | 3点 N=2 | 3点 N=3 | ヒストグラム |
|---|---|---|---|---|
| 2003 | -25,700 | -13,800 | -8,500 | 18,400 |
| 2004 | -22,800 | -11,600 | 7,600 | -13,500 |
| 2005 | -47,300 | -61,600 | -65,700 | -8,300 |
| 2006 | 23,100 | 13,200 | 14,400 | -55,400 |
| 2007 | -66,000 | 37,000 | 50,000 | 98,500 |
| 2008 | 123,600 | 98,300 | 23,300 | 101,900 |
| 2009 | -85,200 | -99,100 | -99,100 | -47,100 |
| 2010 | -57,200 | -94,900 | -121,800 | 73,800 |
| 2011 | -13,800 | 44,400 | 40,000 | 25,400 |
| 2012 | 21,100 | 15,900 | 8,900 | 600 |
| 2013 | -39,400 | -39,500 | -19,300 | 14,100 |
| 2014 | 46,950 | 102,250 | 113,150 | 35,650 |
| 2015 | -10,900 | -17,150 | -27,900 | 78,250 |
| 2016 | -84,400 | -17,550 | -26,950 | 234,150 |
| 2017 | -76,450 | -70,800 | -53,300 | -186,850 |
| 2018 | -7,500 | 52,100 | 47,800 | 257,000 |
| 2019 | -42,700 | -37,150 | -37,150 | -69,700 |
| 2020 | 136,000 | 109,500 | 79,500 | 163,600 |
| 2021 | -43,900 | 44,900 | 85,900 | -67,800 |
| 2022 | 76,200 | 26,100 | 14,700 | 64,900 |
「3点 N=x」はケース1(N=x回)の検証における各年の損益を、「ヒストグラム」は前回の検証における各年の損益を示しています。
また、2003年から2022年の損益を合計すると、それぞれ次のようになります。
- 3点 N=1: -196,300円
- 3点 N=2: 80,500円
- 3点 N=3: 25,550円
- ヒストグラム: 717,600円
MACDヒストグラムのノイズを抑制することで、投資成績の向上を図ったわけですが、結果は思惑通りとはなりませんでした。
上記の結果において、2016年は「ヒストグラム」が234,150円であるのに対して、今回の検証結果は何れもマイナスとなっているのが分かります。
2016年の日足チャートおよびMACDヒストグラムを以下に示します。
![]() |
| 2016年 任天堂(7974) 日足チャート MACDヒストグラム |
この年の結果を見比べてみると、今回の売買条件によってノイズを抑える効果は一定程度確認できました。
しかし、今回の売買条件が機会損失にも繋がってしまい、大きな利益を取りこぼしていることが分かりました。
特に、2016年の相場は、「ポケモンGO」のヒットによる急騰があり、この値動きを捉えられないと機会損失となってしまいます。
ケース2(4点サンプリング)
ケース2(4点サンプリング)の検証結果を以下に示します。
| 年 | 4点 N=1 | 4点 N=2 | 4点 N=3 | ヒストグラム |
|---|---|---|---|---|
| 2003 | 29,700 | 30,500 | 35,800 | 18,400 |
| 2004 | -43,600 | -36,800 | -28,300 | -13,500 |
| 2005 | -71,500 | -101,700 | -110,500 | -8,300 |
| 2006 | 60,900 | 68,000 | 67,400 | -55,400 |
| 2007 | -16,000 | 34,000 | 47,000 | 98,500 |
| 2008 | -24,400 | -104,700 | -123,700 | 101,900 |
| 2009 | -184,200 | -196,000 | -196,800 | -47,100 |
| 2010 | -6,800 | -57,200 | -61,400 | 73,800 |
| 2011 | 3,600 | 51,800 | 47,400 | 25,400 |
| 2012 | -3,500 | -7,600 | -4,000 | 600 |
| 2013 | -24,300 | -37,600 | -41,900 | 14,100 |
| 2014 | 5,500 | 22,650 | 58,800 | 35,650 |
| 2015 | 72,650 | 90,350 | 79,300 | 78,250 |
| 2016 | -51,400 | 2,100 | 4,050 | 234,150 |
| 2017 | -19,050 | 15,300 | 25,700 | -186,850 |
| 2018 | 2,600 | -29,700 | 12,700 | 257,000 |
| 2019 | 14,700 | 81,700 | 81,700 | -69,700 |
| 2020 | 100,000 | 38,300 | 38,900 | 163,600 |
| 2021 | -139,900 | -151,400 | -131,000 | -67,800 |
| 2022 | 64,400 | -25,500 | -21,700 | 64,900 |
「4点 N=x」はケース1(N=x回)の検証における各年の損益を、「ヒストグラム」は前回の検証における各年の損益を示しています。
また、2003年から2022年の損益を合計すると、それぞれ次のようになります。
- 4点 N=1: -230,600円
- 4点 N=2: -313,500円
- 4点 N=3: -220,550円
- ヒストグラム: 717,600円
ケース1(3点サンプリング)の結果と比べると、ケース2(4点サンプリング)の結果の方が、投資成績が悪くなっていることが確認できました。
検証結果から、株価の変化のスピードが速く、MACDヒストグラムの3点および4点サンプリングでは遅すぎて追従できないことが分かりました。
引き続き、何か別の改善方法を検討したいと思います。
(参考)検証データについて
今回の検証で作成したExcelデータは、以下のGitHub Pagesに公開しています。
https://4affiuser.github.io/data/trade/MACD/トレード_MACD_3_任天堂_検証データ.zip


