検証 移動平均線を使用した株のトレード その2 傾き 任天堂(7974)

2023/01/25

移動平均線

目次
検証 移動平均線を使用した株のトレード その2  傾き 任天堂(7974)

前回の移動平均線使用した株のトレードについて

前回、移動平均線を使用した株のトレードに関する記事を書きました。

10日の移動平均を使用した株のトレード結果は、以下の通りです。

売買数 成功数 成功率 10日 損益
2003 22 8 36% -11,800
2004 28 9 32% -1,300
2005 18 5 28% 13,500
2006 20 9 45% 49,400
2007 18 10 56% 269,900
2008 22 7 32% -211,700
2009 25 5 20% -147,300
2010 22 6 27% 44,800
2011 18 5 28% -24,800
2012 23 6 26% -8,200
2013 17 5 29% 31,700
2014 23 7 30% 25,450
2015 18 6 33% 75,850
2016 22 6 27% 70,050
2017 21 6 29% 121,450
2018 17 6 35% -32,300
2019 26 9 35% 37,550
2020 16 5 31% 170,700
2021 26 11 42% -31,200
2022 23 8 35% -33,900

比較的損失の多い2008年と2009年のチャートを以下に記載します。

2008年 任天堂(7974) 日足チャート 10日 移動平均
2008年 任天堂(7974) 日足チャート + 10日 移動平均

2009年 任天堂(7974) 日足チャート 10日 移動平均
2009年 任天堂(7974) 日足チャート + 10日 移動平均

2008年と2009年の日足チャートを見ると、丸印を付けた移動平均線が下降、あるいは、横ばいの箇所での売買が損失を拡大させていることが分かりました。

そこで、移動平均線の傾きに着目し、一定の傾き以下の場合は株のトレードを行わないという条件で検証を行いました。

検証条件

検証条件を下記に示します。
  • 移動平均の期間は10日とする
  • 「買い」の詳細条件は次の通り
    • 買い条件A and 買い条件B and 買い条件C
      • 買い条件A: 前日の終値 < 前日の移動平均の値
      • 買い条件B: 当日の移動平均の値 < 当日の終値
      • 買い条件C: 前日の移動平均の傾きが-0.5%より大きい場合
  • 「売り」の詳細条件は次の通り
    • 売り条件A and 売り条件B
      • 売り条件A: 前日の移動平均の値 < 前日の終値
      • 売り条件B: 当日の終値 < 当日の移動平均の値
  • 株価データは「任天堂(7974)」を使用する
  • 株価データの期間は2003年1月から2023年1月の20年間とする
  • 買い値および売り値は条件成立日の終値とする
  • 売買単位は100株とする
  • トレードによる手数料、税金は無視する

ちなみに、移動平均の傾きは、以下により算出しました。
  • 移動平均の傾き [%] = (前日の移動平均の値 - 前々日の移動平均の値) / 前々日の移動平均の値 * 100

検証結果

10日の移動平均の傾きを考慮した株のトレードに対する検証結果を下記に示します。

売買数 成功数 成功率 10日傾き 損益 10日 損益
2003 12 3 25% -16,100 -11,800
2004 23 8 35% 6,600 -1,300
2005 16 5 31% 17,400 13,500
2006 19 9 47% 53,900 49,400
2007 15 9 60% 288,900 269,900
2008 11 5 45% -61,000 -211,700
2009 19 4 21% -76,100 -147,300
2010 16 5 31% 68,300 44,800
2011 12 4 33% -15,100 -24,800
2012 17 5 29% 4,700 -8,200
2013 12 4 33% 18,600 31,700
2014 16 6 38% 39,650 25,450
2015 11 3 27% -8,400 75,850
2016 15 4 27% 90,450 70,050
2017 17 5 29% 132,450 121,450
2018 10 3 30% -33,100 -32,300
2019 22 6 27% -24,800 37,550
2020 13 3 23% 63,300 170,700
2021 21 10 48% -8,900 -31,200
2022 21 7 33% -13,400 -33,900

2008年と2009年の損失額は、移動平均の傾きを考慮することで少なくなりました。

一方、2015年と2019年は、成績が悪くなってしまいました。

日足チャートを見ると、その原因が分かりました。

2015年 任天堂(7974) 日足チャート 10日 移動平均
2015年 任天堂(7974) 日足チャート + 10日 移動平均

2019年 任天堂(7974) 日足チャート 10日 移動平均
2019年 任天堂(7974) 日足チャート + 10日 移動平均

移動平均の傾きを考慮した売買をしたことで、2015年と2019年の丸印を付けた箇所の売買がスキップされ、利益を増やすことができませんでした。

追加検証 傾きで買いスキップの翌日に終値が移動平均線を上まわっていれば買い

移動平均の傾きを考慮した結果、上記のスキップされてしまった買いをリカバリーするため、次の条件を追加し、検証しました。
  • 検証条件
    • 上記に加えて、傾きを考慮しスキップされた買いの翌日の終値が移動平均の値を上まわっていれば買い
    •  (買い条件A and 買い条件B and 買い条件C) or (買い条件B and 買い条件D)
      • 買い条件A: 前日の終値 < 前日の移動平均の値
      • 買い条件B: 当日の移動平均の値 < 当日の終値
      • 買い条件C: 前日の移動平均の傾きが-0.5%より大きい場合
      • 買い条件D: 前日の買いがスキップされた

検証結果を下記に示します。

売買数 成功数 成功率 リカバリ 傾き 10日
2003 21 8 38% -6,600 -16,100 -11,800
2004 26 8 31% -5,600 6,600 -1,300
2005 18 5 28% 15,200 17,400 13,500
2006 20 9 45% 51,500 53,900 49,400
2007 17 10 59% 299,900 288,900 269,900
2008 18 6 33% -135,200 -61,000 -211,700
2009 24 5 21% -151,400 -76,100 -147,300
2010 20 5 25% 35,400 68,300 44,800
2011 15 5 33% -11,100 -15,100 -24,800
2012 21 6 29% -3,400 4,700 -8,200
2013 15 5 33% 37,300 18,600 31,700
2014 19 7 37% 34,250 39,650 25,450
2015 15 6 40% 82,250 -8,400 75,850
2016 21 5 24% 81,950 90,450 70,050
2017 19 6 32% 131,000 132,450 121,450
2018 16 6 38% -70,900 -33,100 -32,300
2019 26 9 35% 29,250 -24,800 37,550
2020 15 5 33% 170,200 63,300 170,700
2021 25 10 40% -49,300 -8,900 -31,200
2022 23 8 35% -28,900 -13,400 -33,900

「リカバリ」は、「10日 リカバリ 損失」の結果です。
「傾き」は、「10日 傾き 損失」の結果です。
「10日」は、「10日 損失」の結果です。

移動平均線の傾きのみを考慮した場合と比べると、2015年と2019年の成績は改善されました。

一方、2008年と2009年は成績が悪くなりましたが、傾きを考慮しない単純なトレード「10日 損失」と比べると、改善の効果は見られます。

いずれにせよ、毎年利益が得られるような結果にはなっていませんので、引き続き、検討が必要です。

(参考)検証データについて

今回の検証で使用および作成したデータは、以下のGitHub Pagesに公開しています。

https://4affiuser.github.io/data/trade/moving_average/トレード_移動平均_2_任天堂_検証データ.xls

自己紹介

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株式トレード歴は15年以上、専業株式トレーダーになって5年以上、今も現役で活動中

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