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MACDを使用した株のトレード手法を検証
これまで、移動平均線およびRSIを使用した株のトレード手法を検証してきました。
しかし、それぞれのトレード手法における成績は今ひとつといったところでした。
そこで、今回はMACDを使用した株のトレード手法を検証することにしました。
MACDとは、Moving Average Convergence Divergenceの略であり、日本語では「移動平均収束拡散法」と言います。
名前から分かるように、MACDは移動平均線を使用しており、短期と長期の移動平均線から売買のタイミングを指し示すものです。
MACDの算出方法
MACDの算出方法は、以下となります。
- MACD = 短期の指数平滑移動平均(X日) - 長期の指数平滑移動平均(Y日)
- MACDシグナル = MACDの指数平滑移動平均(Z日)
- 一般的に、X = 12, Y = 26, Z = 9を使用する
また、期間をN日とする指数平滑移動平均(EMA: Exponential Moving Average)の算出方法は、以下となります。
- 1日目: EMA = 直近N日の終値の平均値
- 2日目以降: EMA = 前日のEMA + (当日の終値 - 前日のEMA) * 2 / (N + 1)
MACDシグナルを算出する場合は、EMA算出式の「当日の終値」が「当日のMACDの値」になります。
検証条件
MACDの基本的な使い方に従って、トレード手法の検証を行います。
- MACDの期間設定は、短期12日、長期26日
- MACDシグナルの期間設定は、9日
- 「買い」の条件
- 「買い」の前日: MACD < MACDシグナル
- 「買い」の当日: MACDシグナル < MACD
- 「売り」の条件
- 「売り」の前日: MACDシグナル < MACD
- 「売り」の当日: MACD < MACDシグナル
- 株価データは「任天堂(7974)」を使用する
- 株価データの期間は2003年1月から2023年1月の20年間とする
- 買い値および売り値は条件成立日の終値とする
- 売買単位は100株とする
- トレードによる手数料、税金は無視する
検証結果
MACDを使用した株のトレード検証の結果を以下に示します。
| 年 | 売買数 | 成功数 | 成功率 | MACD 損益 |
|---|---|---|---|---|
| 2003 | 20 | 2 | 10% | -62,400 |
| 2004 | 26 | 8 | 31% | -43,900 |
| 2005 | 16 | 7 | 44% | 22,200 |
| 2006 | 26 | 2 | 8% | -160,200 |
| 2007 | 26 | 9 | 35% | -8,700 |
| 2008 | 25 | 9 | 36% | -55,500 |
| 2009 | 17 | 6 | 35% | -54,600 |
| 2010 | 17 | 7 | 41% | 59,500 |
| 2011 | 14 | 8 | 57% | 75,400 |
| 2012 | 19 | 7 | 37% | 23,300 |
| 2013 | 18 | 6 | 33% | -7,700 |
| 2014 | 19 | 8 | 42% | 25,200 |
| 2015 | 21 | 7 | 33% | -30,650 |
| 2016 | 23 | 5 | 22% | -28,600 |
| 2017 | 20 | 7 | 35% | 32,650 |
| 2018 | 20 | 6 | 30% | -36,300 |
| 2019 | 12 | 8 | 67% | 74,900 |
| 2020 | 13 | 6 | 46% | 153,500 |
| 2021 | 15 | 9 | 60% | 248,800 |
| 2022 | 19 | 6 | 32% | -125,100 |
投資成績の最も良かった2021年と、最も悪かった2006年に対して、日足チャート、MACDおよびMACDシグナルを確認します。
以下に、2021年の日足チャート、MACDおよびMACDシグナルを示します。
![]() |
| 2021年 任天堂(7974) 日足チャート MACD MACDシグナル |
日足チャート上において、MACDおよびMACDシグナルによる「買い」タイミングを緑色の丸印、「売り」タイミングをオレンジ色の丸印で示しています。
2021年の日足チャートから、MACDおよびMACDシグナルによる売買が割と適切に行われていることが確認できました。
続いて、2006年の日足チャート、MACDおよびMACDシグナルを以下に示します。
![]() |
| 2006年 任天堂(7974) 日足チャート MACD MACDシグナル |
2006年の日足チャートを見ると、単調な上昇トレンドを描いていることが確認できます。
ちなみに、MACDには次の欠点があるそうです。
- 株価が少しづつ上昇、あるいは、下降する状況が続くと、MACDおよびMACDシグナルが横ばい状態となり、互いに交差を繰り返してしまい、損失が増える結果となる
- 株価が短期間で急騰、あるいは、急落を繰り返した場合、MACDおよびMACDシグナルが追従できない場合がある
2006年の相場環境は、上記の欠点にあるようなMACDおよびMACDシグナルの交差が繰り返したことによる損失の増加であることが分かりました。
また、参考までに、下記の記事にて行ったRSIを使用した株のトレードとの比較した結果を記載しておきます。
| 年 | MACD 損益 | RSI 損益 |
|---|---|---|
| 2003 | -62,400 | -6,800 |
| 2004 | -43,900 | 63,800 |
| 2005 | 22,200 | 25,900 |
| 2006 | -160,200 | -90,200 |
| 2007 | -8,700 | 125,500 |
| 2008 | -55,500 | -111,500 |
| 2009 | -54,600 | 44,400 |
| 2010 | 59,500 | -105,100 |
| 2011 | 75,400 | -57,400 |
| 2012 | 23,300 | -22,600 |
| 2013 | -7,700 | 84,200 |
| 2014 | 25,200 | 39,800 |
| 2015 | -30,650 | -5,050 |
| 2016 | -28,600 | 164,850 |
| 2017 | 32,650 | -181,900 |
| 2018 | -36,300 | 71,800 |
| 2019 | 74,900 | -17,300 |
| 2020 | 153,500 | -61,900 |
| 2021 | 248,800 | 324,600 |
| 2022 | -125,100 | 120,600 |
MACDおよびRSIの2003年から2022年の損益を合計すると、次のようになります。
- MACD: 101,800円
- RSI: 405,700円
少々単純な比較になりますが、RSIの方がMACDと比べて投資成績は微妙に良いようです。
(参考)検証データについて
今回の検証で使用および作成したExcelデータは、以下のGitHub Pagesに公開しています。
https://4affiuser.github.io/data/trade/MACD/トレード_MACD_1_任天堂_検証データ.zip



