目次
移動平均線を使用した株のトレードについて
これまで、移動平均線を使用した株のトレード手法について、以下のものを検証してきました。
- 検証 移動平均線を使用した株のトレード 任天堂(7974)
- 順張りトレードのため、下落相場ともみ合い相場で成績が悪化した
- 2008年から2009年が特に悪かった
- 検証 移動平均線を使用した株のトレード その2 傾き 任天堂(7974)
- 移動平均線の傾きを考慮したことで、2008年から2009年を含め、全体的に成績は向上した
- しかし、下落相場から急騰した2015年と2019年はチャンスを逃した結果、成績が悪化した
- また、2008年と2009年は、成績が改善したとはいえ、以前損失が大きい
- 検証 移動平均線を使用した株のトレード その3 空売り 任天堂(7974)
- 「買い」から「売り」に加えて、「空売り」から「返済買い」を合わせることで、成績が改善した年と悪化した年があった
- 相場のトレンドがもみ合いの場合は、成績が悪化した
- 大きく改善した年は、2008年、2011年、2018年であった
- 大きく悪化した年は、2007年、2016年、2017年、2019年であった
それぞれの手法には、それぞれの課題が存在したことを確認することができました。
移動平均線 + RSI(Relative Strength Index)を使用した株のトレード手法に対する検証を行いたいと思います。
RSIの算出方法
RSIの算出方法は、いくつかの種類があるようですが、今回の検証では、以下を使用しました。
- A = n日間の終値の上昇幅の合計
- B = n日間の終値の下落幅の合計
- RSI = A / (A + B) * 100 [%]
検証条件
検証条件を下記に示します。
- 移動平均の期間は10日とする
- RSIの期間は14日とする
- 「買い」の詳細条件は次の通り
- 買い条件A and 買い条件B and 買い条件C
- 買い条件A: 前日の終値 < 前日の移動平均の値
- 買い条件B: 当日の移動平均の値 < 当日の終値
- 買い条件C: 当日のRSI < x%
- 「売り」の詳細条件は次の通り
- 売り条件A and 売り条件B
- 売り条件A: 前日の移動平均の値 < 前日の終値
- 売り条件B: 当日の終値 < 当日の移動平均の値
- 株価データは「任天堂(7974)」を使用する
- 株価データの期間は2003年1月から2023年1月の20年間とする
- 買い値および売り値は条件成立日の終値とする
- 売買単位は100株とする
- トレードによる手数料、税金は無視する
検証結果
「当日のRSI < 30%」の検証結果を以下に示します。
| 年 | 売買数 | 成功数 | 成功率 | RSI 損益 | 10日 損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2003 | 0 | 0 | - | 0 | -11,800 |
| 2004 | 0 | 0 | - | 0 | -1,300 |
| 2005 | 0 | 0 | - | 0 | 13,500 |
| 2006 | 0 | 0 | - | 0 | 49,400 |
| 2007 | 0 | 0 | - | 0 | 269,900 |
| 2008 | 0 | 0 | - | 0 | -211,700 |
| 2009 | 0 | 0 | - | 0 | -147,300 |
| 2010 | 1 | 0 | 0% | -400 | 44,800 |
| 2011 | 1 | 0 | 0% | -1,900 | -24,800 |
| 2012 | 0 | 0 | - | 0 | -8,200 |
| 2013 | 0 | 0 | - | 0 | 31,700 |
| 2014 | 4 | 1 | 25% | -1,700 | 25,450 |
| 2015 | 3 | 1 | 33% | 10,400 | 75,850 |
| 2016 | 2 | 1 | 50% | -2,850 | 70,050 |
| 2017 | 2 | 0 | 0% | -10,150 | 121,450 |
| 2018 | 2 | 0 | 0% | -14,100 | -32,300 |
| 2019 | 0 | 0 | - | 0 | 37,550 |
| 2020 | 1 | 0 | 0% | -12,300 | 170,700 |
| 2021 | 0 | 0 | - | 0 | -31,200 |
| 2022 | 1 | 1 | 100% | 17,900 | -33,900 |
「RSI 損益」が今回の検証による結果です。
また、「10日 損益」は、10日の移動平均線を下から上に上抜けたら「買い」、逆に上から下に下抜けたら「売り」とした検証の結果です。
多くの年で売買数がゼロとなってしまいました。
例えば、2007年の日足チャートを以下に示します。
![]() |
| 2007年 任天堂(7974) 日足チャート 10日 移動平均 + RSI |
2007年の日足チャートを見ると、RSIが30%を下回ることはまれであり、この結果、売買数がゼロになったことが分かります。
そこで、RSIの条件を40, 50, 60%に変更してみました。
| 年 | RSI<40% | RSI<50% | RSI<60% | 10日 損益 |
|---|---|---|---|---|
| 2003 | 4,500 | 10,100 | -6,000 | -11,800 |
| 2004 | 4,500 | -11,600 | 9,300 | -1,300 |
| 2005 | -3,200 | 12,000 | 10,500 | 13,500 |
| 2006 | 10,200 | 51,900 | 32,400 | 49,400 |
| 2007 | 25,000 | 141,000 | 127,500 | 269,900 |
| 2008 | -140,200 | -160,200 | -202,700 | -211,700 |
| 2009 | -51,100 | -104,100 | -139,200 | -147,300 |
| 2010 | -9,200 | -37,300 | -29,900 | 44,800 |
| 2011 | 5,200 | -5,900 | -21,000 | -24,800 |
| 2012 | -13,600 | -17,100 | -17,800 | -8,200 |
| 2013 | 18,900 | 3,700 | 39,500 | 31,700 |
| 2014 | 20,550 | 14,900 | 32,350 | 25,450 |
| 2015 | 7,850 | 45,300 | 35,100 | 75,850 |
| 2016 | -10,250 | -3,950 | 89,300 | 70,050 |
| 2017 | -18,650 | 38,700 | 112,150 | 121,450 |
| 2018 | -29,900 | -6,600 | 300 | -32,300 |
| 2019 | 74,150 | 70,450 | 106,750 | 37,550 |
| 2020 | 111,300 | 204,600 | 182,200 | 170,700 |
| 2021 | -11,900 | -95,800 | -55,400 | -31,200 |
| 2022 | 34,800 | 4,400 | -60,100 | -33,900 |
RSIを考慮することで、トレード成績が改善する点もあれば、悪化する点もあることが分かりました。
- RSIの考慮によりトレード成績が特に改善した年
- 2008年、2009年
- RSIの考慮によりトレード成績が特に悪化した年
- 2007年、2010年、2015年、2016年、2017年
2008年から2009年は、トレンドが横ばいから下降トレンドに移行したタイミングです。
一方、2007年と2017年は上昇トレンド、2015年と2016年は上昇と下降を繰り返した横ばいのトレンドでした。
2015年から2016年の日足チャートを以下に示します。
![]() |
| 2015年から2016年 任天堂(7974) 日足チャート 10日 移動平均 + RSI |
RSIが40%を下回るタイミングもそれなりに散見できますが、損切りによる損失がトレード成績を悪化させていることが分かりました。
RSIは、もともと逆張り向けのテクニカル指標ですので、移動平均線を利用する順張りのトレード手法とは相性が悪いのかもしれません。
(参考)検証データについて
今回の検証で使用および作成したデータは、以下のGitHub Pagesに公開しています。
https://4affiuser.github.io/data/trade/moving_average/トレード_移動平均_4_任天堂_検証データ.xls



