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テクニカル分析の代表といえば移動平均線
移動平均線は、テクニカル分析の中でも代表的な手法であり、トレンドの分析に使用されます。
したがって、移動平均線を使用した株式トレード手法も数多く存在し、多くの株式トレードを解説する本でも紹介されています。
そこで今回は、過去のデータに対して、移動平均線を使った株式トレードを行い、本当に儲かるのか確認してみました。
- 株価データ: 任天堂株式会社(証券コード: 7974)
- 2003年1月から2023年1月までの約20年間
ちなみに、今回使った移動平均線は、単純移動平均線(SMA: Simple Moving Average)です。
結論
- 移動平均線を使った株式トレードは儲からない
移動平均線を使った株式トレードは、上昇トレンドや下降トレンドでは儲かります。
しかし、横ばいトレンドでは売買による損失が増加してしまうため儲かりません。
そして、株価のトレンドは、横ばいトレンドの期間が最も長くなる傾向があるため、全体として移動平均線を使った株式トレードは儲からないという結論に至りました。
私が実際に行った移動平均線を使った株式トレードの結果を、以下にまとめました。
移動平均線と終値の単純な比較
テクニカル分析研究会による著書『株で儲ける! 損切りの一番やさしい教科書』で紹介されていた下記の株式トレードの手法に従って売買を行いました。
- 移動平均線を株価が下から上に突き抜けたら「買い」
- 移動平均線を株価が上から下に突き抜けたら「売り」
検証結果は、以下の通りです。
- 移動平均線の期間が10日の場合
- 2003年から2022年における損益の合計: 407,850円
- 成功率
- Max: 56%(2007年)
- Min: 20%(2009年)
- 年毎の利益
- Max: 269,900円(2007年)
- Min: -211,700円(2008年)
- 移動平均線の期間が25日の場合
- 2003年から2022年における損益の合計: 166,850円
- 成功率
- Max: 65%(2014年)
- Min: 8%(2003, 2008年)
- 年毎の利益
- Max: 322,000円(2007年)
- Min: -167,500円(2008年)
詳細は、下記を参照ください。
移動平均線の傾きを考慮
移動平均線を使った株式トレードでは、横ばいトレンドでの損失が増加する特徴があります。
そこで、横ばいトレンドでの売買を避ける目的で、移動平均線の傾きを考慮して売買を行いました。
- 前日の移動平均の傾きが-0.5%より大きい場合
ちなみに、前回の結果を考慮して、移動平均線の期間は10日としました。
検証結果は、以下の通りです。
- 2003年から2022年における損益の合計: 527,350円
- 成功率
- Max: 60%(2007年)
- Min: 21%(2009年)
- 年毎の利益
- Max: 288,900円(2007年)
- Min: -76,100円(2009年)
移動平均線の傾きを考慮したことで、前回の結果から若干の改善が確認できました。
詳細は、下記を参照ください。
空売りを追加
これまでの移動平均線を使った株式トレードでは、「買い」から始まり「売り」で終わる売買のみを行ってきました。
そこで、「空売り」から始まり「買い」で終わる売買を追加し、投資成績の改善を図ります。
具体的には、「移動平均線と終値の単純な比較」で示した条件に従い、売買を行いました。
- 移動平均線を株価が下から上に突き抜けたら「買い」and「返済買い」
- 移動平均線を株価が上から下に突き抜けたら「返済売り」and「空売り」
ちなみに、移動平均線の期間は10日としました。
検証結果は、以下の通りです。
- 2003年から2022年における損益の合計: 361,400円
- 成功率
- Max: 41%(2018年)
- Min: 24%(2017年)
- 年毎の利益
- Max: 211,800円(2020年)
- Min: -171,800円(2009年)
横ばいトレンドでは、「空売り」を追加した結果、損失が増加しました。
このため、全体的にも損失が増えたことが確認できました。
詳細は、下記を参照ください。
移動平均線とRSIを併用
RSI(Relative Strength Index)は、現在の株価が買われすぎか、売られすぎかを判断するための指標です。
一般的に、RSIが30%以下で売られすぎと判断されます。
そこで、「移動平均線と終値の単純な比較」で示した条件に、RSIが30%以下であることを追加し、売買を行いました。
ちなみに、移動平均線の期間は10日、RSIの期間は14日としました。
検証結果は、以下の通りです。
- 2003年から2022年における損益の合計: -15,100円
- 成功率
- Max: 100%(2022年)
- Min: 0%(2010, 2011, 2017, 2018, 2020年)
- 年毎の利益
- Max: 17,900円(2022年)
- Min: -14,100円(2018年)
「RSIが30%以下」という条件を加えたことで、売買数が大幅に減ってしまうことが確認できました。
このため、成功率も0%となる年が多く発生しました。
詳細は、下記を参照ください。
パーフェクトオーダー
パーフェクトオーダーを使った株のトレード手法を検証しました。
ちなみに、パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の移動平均線が順に並び、向きが全て揃った状態を意味します。
パーフェクトオーダーは、強い上昇、あるいは、下降トレンドの形成を表すテクニカル指標です。
新規売買条件として、次の2つを検証しました。
- ケース1
- 単純にパーフェクトオーダーが成立した場合に新規売買を行う
- ケース2
- パーフェクトオーダーが成立する前日に中期および長期移動平均線の並びに制約を設ける
検証結果は、以下の通りです。
- ケース1
- 2003年から2022年における損益の合計: 134,900円
- 成功率
- Max: 67%(2010, 2019年)
- Min: 0%(2003, 2005, 2011, 2013, 2017年)
- 年毎の利益
- Max: 395,500円(2008年)
- Min: -125,300円(2020年)
- ケース2
- 2003年から2022年における損益の合計: 214,100円
- 成功率
- Max: 67%(2010, 2019年)
- Min: 0%(2005, 2011, 2013, 2017年)
- 年毎の利益
- Max: 313,900円(2008年)
- Min: -130,500円(2021年)
パーフェクトオーダーが継続する期間が長期の場合は大きな利益を得ることができます。
しかし、過去のデータでは、パーフェクトオーダーが継続する期間が短期の場合が多く、損失が増加してしまいました。
詳細は、下記を参照ください。
Excelを使用した確認方法
今回の移動平均線を使った株式トレードの確認は、Excelを使用しました。
「移動平均線と終値の単純な比較」に関する詳細は、下記を参照ください。
まとめ
今回の確認によって、移動平均線を使った株式トレードは、横ばいトレンドで損失が増えることが確認できました。
このため、移動平均線を使う場合は、横ばいトレンドの対策が必要となります。
今回は、横ばいトレンドへの対策として、移動平均線とRSIを併用した売買も行いましたが、期待した結果を得ることはできませんでした。
また、気になる点として、移動平均線は株価の動きへの追従が遅いことが挙げられます。
この点についても、改善する方法を検討していく必要があると考えます。

